ザックリ編んだカシミヤセーターはNG

LeCENT(レセント)はカシミヤ、麻、海島綿、シルクなど天然素材を使った高級ニットのブランドです。

詳しくはホームページをご覧ください。林田株式会社|LeCENT (e-hayashida.co.jp)

 

 

今年もそろそろ、カシミヤが恋しい季節になってきました。w

最近、ネット広告でいろんなカシミヤ製品の広告を見ることが多くなりました。

「ふわっとした柔らかな風合い」「ふわトロ触感」なんてキャッチコピーを見ると、カシミヤの柔らかな風合いは広く世間に認められた特長なのだと実感します。

しかし一方で、ふわっとして柔らかな毛羽立ちが、着用するうちに毛玉になったり、カシミヤが細く繊細な為に、ひじ部分が薄破れしたり、欠点もあるのが事実です。

LeCENTは、カシミヤの特長を大切にしつつ、欠点を補う製法を研究し続けてきました。過去のブログ「毛玉ができないカシミヤセーターを作りたい・・・」をご覧ください。

では、毛玉ができにくく、柔らかな風合いのカシミヤセーターはどのようにして見分ければよいのか?そんなご質問を消費者の方から受けることがあります。

その答えが表題の「ザックリ編んだカシミヤセーターはNG」です。

”ローゲージのザックリ編んだセーター”、素敵ですよね。でもこれは、ローゲージのウールやアクリルなどの太い糸で編んだセーターに限ります。

ザックリ編むと編み目が粗くなって、透かして見ると光が漏れます。専門用語で”度目が詰まっていない状態”。この状態で洗い加工の時間を長くして、毛羽立ちを多くすれば、ふわっとした感触の製品が出来上がります。これこそカシミヤの柔らかな風合いだ!と感激して着用していると、すぐに毛玉だらけになってびっくりします。また、着用を続けるうちに肘部分が薄破れしてきます。

 

一方で、編み目が細かく、ぎっしりと詰まっている状態で、毛羽立ちを抑えて仕上げたセーターは、買った当初は少し硬い、カシミヤらしくない風合いですが、着用するうちにどんどん風合いが良くなってきます。糸の撚りが経年変化で少し緩み、柔らかな風合いを生むのです。度目がぎっしり詰まっているので、毛羽立ちは抑えられ、毛玉にはなりにくい状態を保ちます。また、耐久性に優れ、すぐに型崩れしたり、肘部分が薄破れすることもありません。

 

実は、度目を詰めずにザックリ編むと、製品の重さは軽くなり、糸の使用料が減ってコストダウンになります。価格の安いカシミヤ製品には、原料の質が良くないか、糸量を少なく、ザックリ編んで、ふわっと毛羽立たせて仕上げているものが多いので注意が必要です。

LeCENTのカシミヤセーターは、良質な原料の糸をたっぷりと使い、度目を詰めて編立ます。洗い加工を工夫して毛羽立ちを抑え、耐久性に優れた、長くご愛用していただける製品づくりを心掛けております。

着用する度に風合いが増す、上質なカシミヤの着心地をぜひお試しください。