気がつけばレセントだけが・・・

先日、弊社にカット&ソーの生地を納めていただいている尾州の仕入れ先の担当者がお見えになった際、弊社のモノづくりについてお褒めをいただきました。

「今や60番双糸の綿糸を使ってポロシャツやニットシャツを作っていらっしゃるのは御社だけじゃないですか。うちは大概の百貨店アパレルさんとお取引がありますが、皆さん今では30番単糸を使っていらっしゃいます。安いし、質は落ちますが、新品の状態で見た目は変わりませんから。」

それを聞いて驚いた私が、「ニットで単糸使いは禁じ手のはず。新品の状態で違いが判らなくても1回洗うと斜行して、よじれて大変なことになりますね。」と言うと、「原料代が高騰してそんなことに構っておれないのでしょう。大手のA社もB社も皆さん30番単糸ですよ。」

私「・・・(絶句)。」

レセントの商品は洗っても斜行したりよじれたりしません。それがメーカーの良心であり当たり前だと思っていました。しかしいつの間にか周りの競合ブランドは皆さんルール変更していて、当社だけが馬鹿正直に昔ながらのルールを守って競争していたのでした。

当社の社訓に「己が良心に従い・・・」という一節があります。確かに近年、原料代が高騰し、物流費も人件費も電気代も、ほぼすべてのコストが上昇して経営を圧迫していますが、レセントのモノづくりのポリシーは変わりません。長年レセントをご愛顧いただいているお客様を裏切らないためには、そうでなければならないし、それが当たり前だと思っていました。しかし時代が変わって、いつの間にか当たり前のことがアピールポイントとしてお客様にお伝えすべき価値になっていました。

このほかにもレセントの商品としては当たり前だけれども、実は他社品よりも優れた点、というのはまだまだあります。今後少しづつお伝えしていければと思います。(東)